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2010年9月11日土曜日

歴史との共存

<<まるゼミ番外エピソード 7>>


先日 ある方のお祝い食事会に行ってきました。横浜スタジアムに面する
昨年12月にオープンした13階建てのホテルです。


実はここ。3年前までは「ストロングビル」という歴史的建築物が建っていた場所です。戦前の1938年に外国商社Strong&Co.の日本支店として
横浜出身の建築家が設計した 鉄筋コンクリート建築でした。解体される直前まで コンビニやCAFEや衣料品店が普通にテナントとして入っていましたし、また風情あるたたずまいゆえ映画やテレビのロケ地としてよく利用されていました。


しかし。建築家協会等からの保存要望のラブコールもむなしく解体が決定。ただ 新築建物の一部には 旧建物のデザインが再現されています。低層部の外観と1階エントランスのみですが、少々の既存部材も再利用されているとのこと。確かに、まあ、そんな雰囲気は ちょこっと?ありましたけど。。。。。

               ★旧ストロングビル跡地(横浜市中区山下町)


古い建物の取り壊しを反対する人々。。。みたいなNewsが時折り報道されます。反対運動が功を奏で取り壊されずに補修して使用することになったり、一部のみを残してでもほとんど大々的に増改築されたり、基本的に新規建替えだけれど一部に記念碑的に取り込まれたり、あるいはまったく別の新築建物になってしまったり。。。その土地に建つ建物の運命はさまざまです。


私が暮らす横浜は、幕末に国際港デビューした街ですから、関内周辺に近代建築といわれる歴史的建築物が多いですし、外国人居留地だった山手エリアには幾つもの洋館が現存しています。15年前に横浜に移り住んだ頃、私はこの山手地区の洋館再活用の市民プロジェクトに参加していたことがありました。専門家だけでなく、一般市民の中にも本当に古い空間を愛しその保存に精力を傾けている方々がたくさんいらっしゃいます。けれども不幸にも歴史的空間達は姿を消し続けています。


<まるゼミ番外エピソード 5>でお話した今年6月のフランスでの私のアート制作は、実は、現地の認定歴史的建築物が舞台でした。ヨーロッパでは当たり前に古い建物や街並みがそのまま残され、しかもそれらは立入禁止ロープが張られることなく、きちんと今を生きる人々の日常生活の場となっています。欧州の人達の歴史と共存するモラルとセンスはピカイチ。日本人も頑張らねばと痛感します。

だってやっぱり。日本の伝統デザインって素晴らしいから!世界中の多くの人達が 心の底からそう思ってくれているんです。
日本って かなり → すごいんです。


by マン・マル